介護離職への道(46)仏壇の掛け軸
仏壇の掛け軸
57才で会社を辞めて3年目になります。今年の末には60才になります。最悪、来年には年金を前倒しで受給できるようです。ただ年金額が大幅に減るので我慢できるところまで受給しないつもりです。
今年は両親が車庫に放置してあった仏壇を新年早々に廃棄しました。その際に掛け軸も一緒に棄てました。その掛け軸は大きすぎて今の仏壇には入らなかったのです。
嫁さんがどこかで調べて来たようです。親父の命日も近づいていたので、おばさんと一緒に仏壇屋に行ったようです。今の仏壇のままではダメだと言い出しました。一応、住職に仏壇の廃棄前に古い仏壇は抜魂、その後に使っている小さい仏壇に入魂はしてもらっていたのですが。
たぶん仏壇屋で聞いて来たのだと思います。仏壇が小さいので弘法大師さんと十三佛が一緒の掛け軸が良いと言ってました。お坊さんにも開眼供養をしてもらう必要があるそうです。
せっかく嫁さんが聞いて来たので、そのようにしようと思いました。嫁さんと一緒に仏壇屋に行ってみました。いろいろ高級な物がたくさんありました。廃棄した仏壇とそっくりな仏壇は180万円くらいだったように思います。昔から変わって無いようです。小さな仏壇の寸法を測って行きました。そのサイズに合う弘法大師付き十三佛の掛け軸を購入しました。ちょうど良い感じの掛け軸です。
親父の命日の数日前にお坊さんに来てもらいました。お経を挙げてもらいました。開眼供養と言うそうです。「ラン ラン ラン」「バン バン バン」・・「十三佛様」・・・「開眼供養?」・・???。。
これで嫁さんも安心したようです。嫁さんが一番に喜んでました。嫁さんにすれば、3回くらいしかあってない義父です。その数回にいろいろと思い出があるようです。親父の遺品を嫁さんに見せたところ、その中で万年筆が欲しいと言うので渡しました。未だに大事そうに使ってます。
隆禅寺(立善寺)の話
親父の四十九日の法要でお寺で貰った案内です。お寺は宝田町にある隆禅寺(立善寺)です。弘法大師の真言宗です。お寺は縁起は白鳳2年、西暦673年だそうです。天智天皇の勅願所だったそうです。古いどころではありません。想像を超えてます。
敷地に大楠があります。大楠の樹内に地蔵像が彫られてあります。昔、法事で来た叔父さんが風蘭が付いていると言った大楠です。いつの時代からあるのか知りません。資料では一度、樹が成長して地蔵さんが埋まってしまったようです。その後、また地蔵さんを彫ったそうです。二重になっているので重ね地蔵と言うそうです。
開眼供養をしてもらう前に仏壇の掃除をしました。先祖の戒名を書いた板木がたくさんありました。見たことはあったのですが時代まで確認してませんでした。この際とばかり、高校時代の歴史年表を出して並べて見ました。一番、古いのは享保です。あの徳川吉宗の時代です。びっくりしました。あの富士山が噴火した宝暦の物もありました。
開眼供養をしてもらった時に、この際と思い読めない文字を見てもらったりしました。板木が新しいので書き直しているかも知れないと住職が言ってました。
確か、私が檀家数はどれくらいあるのか聞いたのだと思います。現在は200人くらいだそうです。それに続けて住職が檀家さんが300人くらい居ないと生計、お寺の維持管理が苦しいと言ってました。そんなお寺の話を聞きました。少し、現実を垣間見た気がしました。
時代的にも段々と檀家数は減って行くだろうと思います。さらに永代供養だけになってしまい、都度の法要も無くなってしまいそうな気がします。
確かに外塀の赤土が落ちているところがあったように思います。なかなか維持管理に費用が足りないのかも知れません。こんなに古く歴史のあるお寺でも苦しいようです。
文化財保護の名目で補助金は出ないのでしょうか?
あまり歴史・文化を大切にしない自治体だと昔から思ってます。そのため観光地も無く、有名な史跡が在っても地元民すら知らないと思います。確か「その後の坊ちゃん」にも隆禅寺が出てきていたように思います。明治時代の頃は地域で有名だったのだろうと思います。
今まで行ったことがありません。これを機会に、年末のお焚き上げには行きたいと思っています。私は無収入なので気持ち程度のお布施しかできません。昨年末のように新型コロナの影響で中止で無ければ、嫁さんと一緒に行きたいと思っています。
※メモ
両親がいい加減だったので仏事はさっぱり分かりません。恥ずかしくても仕方ないので聞くしかありません。私は間違っていても、やれる・できる範囲でやればよいと思ってます。縁起が白鳳時代の隆禅寺には後世も長く残って欲しいと思います。