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片辺草紙(23)神さま

もう50年以上前の小学生の頃の話です。

小学生の頃、縄跳びが出来ませんでした。
1週間後、体育の時間に何回跳べるか調査がありました。

近くの神社で数日、日暮れになるまで練習をしました。
それでも、せいぜい10~20回くらいしか跳べませんでした。

あの頃は、人気のない神社でも平気で日暮れまでいられました。
小さい頃は純粋だったのでしょう。
怖くはなかったです。なにせ神さまですから。
今ならちょっと怖くて無理な気がします。

とうとう明日は体育の時間です。
お金も無かったのでお賽銭はあげられませんでした。
お願いだけして帰りました。
「どうぞ50回くらい跳べますように!お願いします」と。

翌日、緊張しながら順番を待ってました。
20回も跳べればいい。10回以下は嫌だと。
ついに順番が回って来ました。
なんか良くわかりませんが20回を超えて調子よかったです。
結局50回。ぴったり50回でした。びっくりしました。
神さま、ありがとう。

学校から帰って、神社の神さまに報告に行きました。
「神さま、50回も跳べました。どうもありがとう」とお礼を言いました。

松任谷由実の曲で「やさしさに包まれたなら」好きな曲の一つです。
その歌詞に「小さい頃は神さまがいて不思議に夢をかなえてくれた...」があります。

確かに小さい頃は神さまがいたように思います。