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片辺草紙(22)読唇術

もう50年以上前の小学生の頃の話です。

小学生の低学年の頃、不思議な能力がありました。
遠くの人がしゃべっている内容がわかるのです。
「読唇術」です。
その頃は、そんな言葉すら知りませんでしたが。
少し遠くの声が聞こえない人でも口元が見えればだいたい分かりました。
例えば、今はもう見かけない公衆電話。
人がしゃべっている内容は大半わかりました。

自分でもこれはすごいと思ってました。

しかし、この能力はローマ字を習う頃にあっさり消えました。

ローマ字。
あの頃は外国語(英語)だと思っていました。
そのため英字をローマ字読みすれば意味が分かると思ってました。
当然、日本語の単語にもならず..わかるハズもないです。
なぜ単語にならないのか?理解できませんでした。

外国人はローマ字をしゃべっているから、よく聞けば聴きとれると思ってました。
そんなことを考えていたら、読唇能力はあっさりと消えてしまいました。