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介護離職への道(02)通帳はありがたい

通帳はありがたい

先回のATMの件です。今思えばその頃くらいから親父は認知症が入って来たのだと思います。「通帳を子供に渡す」のを嫌がる親も多いと聞きます。先日、母親の介護度の更新認定に来た役所の職員さんの質問にもありました。「お金の管理は誰がしていますか?」に続いて「私のお金を盗んだとか、勝手に使ったとかは言いませんか?」と。親戚のおばさんが、そんな感じだったそうです。従妹がとても難儀をしていました。認知症の場合には、そういう被害妄想的になることが多いのだろうと察しました。

ATMの件から半年後くらい後の帰省した時、年末だったと思います。親父に「水道やらクレジットカードなどの引き落しとか、いろいろ確認するため銀行で通帳に記入して来る。あるもの全部を出してくれ」と言ったら、すんなり通帳を渡してくれました。ATMが使えない自分をダメだと薄っすらと認識していたのでしょう。その中には通帳はあるが、キャッシュカードが無いものもありました。

通帳記入することで水道、電気、新聞、クレジットカードなど口座引落になっているものが分ったので非常に助かりました。キャッシュカード無くても通帳記入は出来るので確認するには十分です。これでどれくらいの貯蓄、年金額があるかもわかりました。「生活するのには支障はない」と安心したことを思い出します。親父の年金額は、これから何年か先に貰う私の年金予定額より多かったと思います。
また、通帳があれば窓口で相談、対処もできます。当時はまだキャッシュカードを再発行し、郵送してもらえました。あまり必要性を感じなかった通帳ですが、他人が入出金のチェックができるので、有用性を非常に感じました。

これがもしネット銀行を使っていれば、そう簡単にはいかないでしょう。パスワードを忘れている可能性が高いので、銀行の通帳記入のように残高履歴を照会するだけでも大変です。それ以前に、家族がネット銀行の存在すら知らない可能性も高いでしょう。ネット銀行の大半はWEB明細、電子化されているので、書面の郵送も非常に少ないと思います。その場合、完全にお手上げです。

新し物好きの親父でしたが、さすがにネット銀行は使ってなかったので助かったと思いました。それでも、実際の遺産相続手続きでは、キャッシュカードも通帳も無く、存在が分からなかった口座がありました。金額は数十万円でしたが一つ出て来ました。遺産相続手続きをすると、その銀行での全てを調べて出してくれるようです。郵貯では残高の無い投資信託口座が出て来ました。

クレジットカード

親父はクレジットカードを何故か8枚くらいも持ってました。ホームセンター系、ガソリンスタンド系、自動車販売系、銀行系などです。どうせ使わないだろうと、クレジットカードは解約していくことにしました。何故なら、紛失しても認識が無いだろうし、数が多いとリスクも増えるので、必要最小限を残して解約することにしました。代理で電話すると本人確認が必要と言われます。親父が電話口で氏名、生年月日を聞かれる程度で解約できました。クレジットカードの解約には本人確認がありましたが、無難に整理できました。クレジットカードは、キャッシュカードに付随しているカード、インターネット接続のプロバイダーの支払いに使っているカード、2枚にしました。親父のパソコンもあったし、帰省中にいろいろ調べるにはインターネット環境は必要です。

それから、数年後に親父が亡くなりました。親父が亡くなったので銀行口座は閉鎖になります。そのとき、クレジットカード払いはどうなるか?。念のため一応、クレジットカード会社に事情を話して聞いて見ました。大まかには「銀行口座が解約されているので、不払いによりクレジットカードがクローズされます。その後は、請求元から振込請求書が郵送されて来る」とのことでした。要するに、捨ておいても「請求書が郵送で届く」のが分かりました。クレジットカード会社で聞いたように振込請求書が届くようになり、弟が請求書を持ってコンビニで支払ってました。

こちらに戻って来て時間ができたので、プロバイダーに名義の変更が可能か問い合わせて見ました。やはり、解約処理になるとの事でした。タイミング悪く2年縛りのような上乗せの支払いもありましたが解約しました。実質、あまり使わないと思いますが無いと不便なので、別のプロバイダーと契約しました。

結論として、両親が老いればお金の管理は大事です。先ず通帳記入で分かる情報を得ることが大切だと思います。その情報から不明点を解消していくしかないようです。クレジットカードは必要数に絞れば保持していても問題は無さそうです。これから、少し先の世代はもっと大変です。両親のネット銀行など電子化された情報をどう把握するか、パスワードを含めどう管理するか、いろいろな問題がありそうです。

私は親父の件での経験から「ある年齢」になったら、保有している銀行口座は身近にある銀行に集約し、クレジットカードは一つにしようと思ってます。そう思っていても出来なくなっている可能性もあります。この「ある年齢」が曲者です。現時点では、「ある年齢」は75才を目途としています。

(追記)昨年の郵貯に母親を連れて行きました。親父の遺産金が定額預金になっており郵貯の普通預金が10万円くらいしかありませんでした。普段は信金を使っているので問題無いと思いますが念のため一部を普通預金に移すためです。普通預金なら私でもキャッシュカードで引き出せます。その時、聞いた話では定期から普通に移すだけなら本人が来なくても可能なようでした。通帳と印鑑は必要です。それまでは知りませんでした。参考までに。※実際には郵貯の窓口で確認してください。

※メモ
銀行口座は身近の銀行2つくらいに集約、クレジットカードは必要最小限に制限、明細書等の書面は郵送を選択、した方がよさそうです。